IMPORT DELIMITED コマンド

区切り文字付きテキスト ファイルを定義およびインポートして、Analytics テーブルを作成します。

構文

IMPORT DELIMITED TO テーブル インポート ファイル名 FROM ソース ファイル名 <SERVER プロファイル名> ソースの文字エンコード SEPARATOR {文字|TAB|SPACE} QUALIFIER {文字|NONE} <CONSECUTIVE> STARTLINE 行番号 <KEEPTITLE> <CRCLEAR> <LFCLEAR> <REPLACENULL> <ALLCHAR> {ALLFIELDS | [フィールド構文] <...n> <IGNOREフィールド番号> <...n>}
フィールド構文 ::=
FIELD 名前 AT 開始位置 DEC WID バイト PIC 書式 AS 表示名

パラメーター

名前 説明
TO テーブル

データをインポートする Analytics テーブルの名前。

メモ

テーブルの名前は、64 文字までの英数字に制限されます。名前にはアンダースコア文字(_)を使用できますが、他の特殊文字やスペースは使用できません。名前の先頭を数字にすることはできません。

インポートファイル名

作成する Analytics データ ファイルの名前。

インポートファイル名、.FIL ファイル拡張子を持つ引用符で囲まれた文字列として指定します。例:"Invoices.FIL".

デフォルトでは、データ ファイル(.FIL)は、Analytics プロジェクトが入っているフォルダーに保存されます。

既存の異なるフォルダーにデータ ファイルを保存するには、絶対または相対ファイル パスを指定します。

  • "C:\data\Invoices.FIL"
  • "data\Invoices.FIL"

FROM ソースファイル名

ソース データ ファイルの名前。ソース ファイル名は引用符で囲む必要があります。

ソース データ ファイルが Analytics プロジェクトと同じフォルダーに位置しない場合、ファイルの位置を指定するために絶対パスまたは相対パスを使用する必要があります。

  • "C:\data\ソース ファイル名"
  • "data\ソース ファイル名"
SERVER プロファイル名

省略可能

インポートしたいデータが置かれている AX Server のサーバー プロファイル名。
ソースの文字エンコード

ソース データの文字セットおよび文字エンコード。

お使いの Analytics エディションとソース データのエンコードに応じて、次のうち該当するコードを指定してください。

コード Analytics のエディション ソース データのエンコード
0

非 Unicode 版

すべてのデータ
0

Unicode 版

ASCII データ
2 Unicode 版 Unicode データ、UTF-16 LE エンコード
3 数値コード Unicode 版

Unicode データ、UTF-16 LE エンコード

ソースデータのエンコードに適合する数値コードを決定するには、データ定義ウィザードを使用してインポートを実行し、[エンコードされたテキスト]オプションを選択し、付属するドロップダウンリストを使って適合するエンコードを見つけます。

コードを指定するには、3、1 つのスペース、数値コードを順に指定します。

SEPARATOR 文字 | TAB | SPACE

ソース データのフィールド間で使用される区切り文字。文字は引用符で囲まれた文字列として指定する必要があります。

タブまたは空白を区切り文字として指定するには、それらを二重引用符で囲んで入力するか、またはそれらのキーワードを使用します。

  • SEPARATOR " " または SEPARATOR SPACE
  • SEPARATOR " " または SEPARATOR SPACE
QUALIFIER 文字 | NONE

ソース データ内のフィールド値を折り返すためと識別するために使用するテキスト修飾子文字。文字は引用符で囲まれた文字列として指定する必要があります。

文字をテキスト修飾子として指定するには、二重引用符を一重引用符で囲む必要があります。QUALIFIER '"'

テキスト修飾子がないことを指定するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • QUALIFIER ""
  • QUALIFIER NONE

CONSECUTIVE

省略可能

連続したテキスト修飾子を単一の修飾子として扱います。

STARTLINE 行番号

ファイルの読み取りを開始する行番号。

たとえば、ファイルの先頭 3 行に不要なヘッダー情報が含まれている場合に、4 行目からデータの読み取りを開始するには、「STARTLINE 4」を指定します。

KEEPTITLE

省略可能

  • KEEPTITLE と ALLFIELDS を組み合わせて使用する STARTLINE に指定した行番号がデータでなくフィールド名として扱われます。

    KEEPTITLE を指定しない場合は、汎用フィールド名が使用され、STARTLINE に指定した行番号はデータとして扱われます。

  • KEEPTITLE と各 FIELD 構文を組み合わせて使用する STARTLINE に指定した行番号がインポートされなくなります。"FIELD 名前" の "名前" にはフィールド名を指定します。

    KEEPTITLE を指定しない場合には、STARTLINE に指定した行番号はデータとして扱われます。"FIELD 名前" の "名前" にはフィールド名を指定します。

CRCLEAR

省略可能

テキスト修飾子間で発生するすべての CR 文字(キャリッジリターン)をスペース文字で置換します。CRCLEAR を使用するには、QUALIFIER と文字値を指定する必要があります。

CRCLEAR と LFCLEAR の両方を使用する場合は、CRCLEAR を最初に記述する必要があります。

LFCLEAR

省略可能

テキスト修飾子間で発生するすべての LF 文字(ラインフィード)をスペース文字で置換します。LFCLEAR を使用するには、QUALIFIER と文字値を指定する必要があります。

CRCLEAR と LFCLEAR の両方を使用する場合は、CRCLEAR を最初に記述する必要があります。

REPLACENULL

省略可能

スペースで区切られたファイルで発生するすべての NUL 文字を置換します。置き換えられたすべての NULL 文字の数がログに記録されます。

ALLCHAR

省略可能

インポートされたすべてのフィールドには、自動的に文字のデータ型が割り当てられます。

ヒント

インポートされたすべてのフィールドに文字のデータ型を割り当てると、区切り文字付きテキスト ファイルのインポート処理が容易になります。

Analytics にインポートされたデータのフィールドには、数値や日付時刻などのさまざまなデータ型を割り当て、書式の詳細を指定することができます。

Analytics によって識別子のフィールドに数値のデータ型が自動的に割り当てられたテーブルをインポートする際、実際には文字のデータ型を使用する必要がある場合には、ALLCHAR を使用することができます。

ALLFIELDS

ソース データ ファイルの全フィールドがインポートされます。

ALLFIELDS を使用する際に Analytics によってデータ型が割り当てられる方法の詳細については、備考を参照してください。

メモ

ALLFIELDS を指定する場合、個別の FIELD 構文や IGNORE 指定しないでください。

FIELD 名前

インポートするソース データ ファイル内の個別フィールドの名前およびデータ型。フィールドをインポート対象から除外する場合は、そのフィールドを指定しないでください。

については、フィールド データ型の識別子を参照してください。

メモ

ALLCHAR を指定した場合には、は無視されます。

AT 開始位置

Analytics データ ファイル内のフィールドの開始バイトを指定します。

メモ

非 Unicode 版 Analytics 1 バイト = 1 文字
Unicode 版 Analytics 2 バイト = 1 文字

Unicode 版 Analytics では、一般的に、奇数で開始するバイト位置を指定してください。偶数の開始位置を指定すると、文字が正しく表示されない可能性があります。

DEC

数値フィールドの小数点以下の桁数

メモ

DEC を指定した場合には、PIC は無視されます。

WID バイト

Analytics テーブル レイアウトにおけるフィールドの長さ(バイト数)

メモ

非 Unicode 版 Analytics 1 バイト = 1 文字
Unicode 版 Analytics 2 バイト = 1 文字

Unicode 版 Analytics では、偶数バイトのみを指定します。奇数バイトを指定すると、文字が正しく表示されない可能性があります。

PIC 書式

メモ

数値フィールドまたは日付時刻フィールドにのみ適用されます。

  • 数値フィールド Analytics のビューとレポートに含まれる数値の表示形式。
  • 日付時刻フィールドソース データの日付時刻値の物理形式(日付時刻文字、区切り文字の順など)

    メモ

    日付時刻フィールドの場合、形式はソース データの物理形式と正確に一致する必要があります。たとえば、ソース データが 12/31/2014 である場合は、書式を "MM/DD/YYYY" として入力します。

書式は引用符で囲む必要があります。

メモ

ALLCHAR を指定した場合には、PIC は無視されます。

AS 表示名

新しい Analytics テーブルのビューにおけるフィールドの表示名(代替列見出し)。

表示名の値は引用符で囲まれた文字列。列見出しを改行したい場合は、語句の間にセミコロン(;)を入れます。

フィールドの定義時には、AS は必須です。表示名をフィールド名と同じにしたい場合は、空の表示名を入力します。つまり、次の構文を使用します。AS ""2 つの二重引用符の間にスペースがないことを確認してください。

IGNORE フィールド番号 <...n>

省略可能

テーブル レイアウトからフィールドを除外します。

フィールド番号は、ソース データ ファイルにおける除外対象フィールドの位置を指定します。たとえば、IGNORE 5 は、ソース データ ファイルの 5 番目のフィールドを Analytics テーブル レイアウトから除外します。

メモ

このフィールドのデータは、インポートは行われますが、定義されないため、新しい Analytics テーブルには表示されません。必要に応じ、データを後で定義して、テーブルに追加することができます。

特定のフィールドをインポート対象から完全に除外するには、個別に各フィールドを指定する際にそのフィールドを指定しないでください。

すべてのフィールドをインポートする

カンマ区切りファイルから Employees という名前の Analytics テーブルにすべてのフィールドをインポートするとします。このファイルでは、テキスト修飾子として二重引用符が使用されています。データ型は、備考に示した規則セットに基づいて自動的に割り当てられます。

IMPORT DELIMITED TO Employees "Employees.fil" FROM "Employees.csv" 0 SEPARATOR "," QUALIFIER '"' CONSECUTIVE STARTLINE 1 KEEPTITLE ALLFIELDS

すべてのフィールドをインポートし、文字のデータ型を自動的に割り当てる

カンマ区切りファイルから Employees という名前の Analytics テーブルにすべてのフィールドをインポートするとします。このファイルでは、テキスト修飾子として二重引用符が使用されています。インポートされたすべてのフィールドには、自動的に文字のデータ型が割り当てられます。

IMPORT DELIMITED TO Employees "Employees.fil" FROM "Employees.csv" 0 SEPARATOR "," QUALIFIER '"' CONSECUTIVE STARTLINE 1 KEEPTITLE ALLFIELDS

指定したフィールドをインポートし、文字のデータ型を自動的に割り当てる

タブ区切りファイルから Employees という名前の Analytics テーブルに指定のフィールドをインポートするとします。このファイルでは、テキスト修飾子として二重引用符が使用されています。インポートされたすべてのフィールドには、自動的に文字のデータ型が割り当てられます。

IMPORT DELIMITED TO Employees "Employees.fil" FROM "Employees.csv" 0 SEPARATOR TAB QUALIFIER '"' CONSECUTIVE STARTLINE 1 KEEPTITLE ALLCHAR FIELD "First_Name" C AT 1 DEC 0 WID 25 PIC "" AS "First Name" FIELD "Last_Name" C AT 26 DEC 0 WID 25 PIC "" AS "Last Name" FIELD "CardNum" C AT 51 DEC 0 WID 16 PIC "" AS "Card Num" FIELD "EmpNo" C AT 67 DEC 0 WID 6 PIC "" AS "Emp Num" FIELD "HireDate" C AT 73 DEC 0 WID 10 PIC "" AS "Hire Date" FIELD "Salary" C AT 83 DEC 0 WID 5 PIC "" AS "" FIELD "Bonus_2016" C AT 88 DEC 0 WID 10 PIC "" AS "Bonus 2016"

指定したフィールドをインポートし、フィールドごとにデータ型を割り当てる

セミコロン区切りファイルから Employees という名前の Analytics テーブルに指定のフィールドをインポートするとします。このファイルではテキスト修飾子は使用されていません。インポートするフィールドごとにデータ型を指定します。

IMPORT DELIMITED TO Employees "Employees.fil" FROM "Employees.csv" 0 SEPARATOR TAB QUALIFIER '"' CONSECUTIVE STARTLINE 1 KEEPTITLE ALLCHAR FIELD "First_Name" C AT 1 DEC 0 WID 25 PIC "" AS "First Name" FIELD "Last_Name" C AT 26 DEC 0 WID 25 PIC "" AS "Last Name" FIELD "CardNum" C AT 51 DEC 0 WID 16 PIC "" AS "Card Num" FIELD "EmpNo" C AT 67 DEC 0 WID 6 PIC "" AS "Emp Num" FIELD "HireDate" C AT 73 DEC 0 WID 10 PIC "" AS "Hire Date" FIELD "Salary" C AT 83 DEC 0 WID 5 PIC "" AS "" FIELD "Bonus_2016" C AT 88 DEC 0 WID 10 PIC "" AS "Bonus 2016"

備考

このコマンドの動作の詳細については、区切り文字付きテキスト ファイルのインポートを参照してください。

ALLFIELDS を使用する際に Analytics によってデータ型が割り当てられる仕組み

個別にフィールドを定義する代わりに ALLFIELDS パラメーターを使用すると、区切り文字付きファイルの先頭にあるレコードのサブセットが Analytics によって調べられ、次に示す規則セットに基づいてフィールドにデータ型が割り当てられます。

Analytics にインポートされたデータのフィールドには、必要に応じて数値や日付時刻などのさまざまなデータ型を割り当て、書式の詳細を指定することができます。

区切り文字付きファイル内のフィールド値の説明 割り当てられるデータ型
テキスト修飾子で囲んだ値 "ABC 社のサプライヤー"

"6,990.75"

文字
フィールド内の任意の位置の値には、数値の区切り文字として使用されるカンマとピリオド、および負号(-)を除く、数字以外の文字を 1 つ使用できます。 $995

(995)

文字
値には数値、数値の区切り文字、および負号(-)のみを使用できます。 6,990.75

-6,990.75

995

数値
フィールドには 1 つまたは複数の空白値が出現します。   文字
区切り文字や英字の月名を含む複数の日付時刻値

2016/12/31

2016 年 12 月 31 日

文字
数字のみから成る日付時刻値 20161231 数値

フィールド データ型の識別子

以下の表は、FIELD でデータを指定するときに使用する必要がある文字の一覧を示します。各文字は Analytics データ型の 1 つに対応します。

たとえば、文字データ型が必要な姓フィールドを定義する場合は、"C": FIELD "Last_Name" C と指定します。

詳細については、Analytics のデータ型を参照してください。

メモ

データ定義ウィザードを使用して EBCDIC、Unicode、または ASCII フィールドを含むテーブルを定義する場合、それらのフィールドには自動的に文字 "C"(CHARACTER 型)が割り当てられます。

IMPORT ステートメントを手作業で入力するか、既存の IMPORT ステートメントを編集する場合、EBCDIC または Unicode フィールドに対して、より特有の文字 "E" または "U" に置き換えることができます。

文字

Analytics データ型

A

ACL

B

BINARY

C

CHARACTER

D

DATETIME

E

EBCDIC

F

FLOAT

G

ACCPAC

I

IBMFLOAT

K

UNSIGNED

L

LOGICAL

N

PRINT

P

PACKED

Q

BASIC

R

MICRO

S

CUSTOM

T

PCASCII

U

UNICODE

V

VAXFLOAT

X

NUMERIC

Y

UNISYS

Z

ZONED